VHFとUHFの違いは?周波数・用途・選び方を解説

無線機を選ぶ際、製品の仕様にある「VHF」「UHF」という言葉を見て、どちらが自社の現場に合うのか迷うことはありませんか。

VHFとUHFは、電波の周波数帯を表す名称です。ただし、無線機の通信距離や使いやすさは、周波数帯だけでは決まりません。使用する場所や機種、アンテナなども含めて検討することが大切です。

この記事では、VHFとUHFの違いを比較表で整理し、電波の性質、現場に合わせた選び方、業務用無線機のおすすめ機種を紹介します。無線機の導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

VHFとは

VHFとは、「Very High Frequency」の略で、日本語では「超短波」と呼ばれています。周波数は30MHzから300MHzの範囲で、波長は1~10mです。主に無線通信、放送、航空無線、アマチュア無線などで利用されています。また、災害時に携帯電話が不通になった場合でも使用できるため、防災無線としても重要な役割を果たしています。

UHFとは

UHFとは、「Ultra High Frequency」の略で、日本語では「極超短波」と呼ばれています。周波数は300MHzから3GHzの範囲で、波長は10cmから1mまで、VHFより短くなっています。UHFの電波は、波長が短くて都市部や平野部での通信に適しています。また、UHFはVHFよりも多くの情報量を一度に送受信できるため、テレビ放送や携帯電話などにも利用されています。

周波数、波長

VHFとUHFの違い

VHFとUHFは、どちらも無線通信によく使われる周波数帯です。それぞれの周波数帯には、独自の特性と利点があります。業務用無線機を選び際には、下記の比較表を参考にしてください。

比較項目VHFUHF
日本語の名称超短波極超短波
周波数帯30~300MHz300MHz~3GHz
波長の目安約1~10m約10cm~1m
選定候補になりやすい環境見通しのよい広い屋外、農地や森林など建物内、市街地、工場・倉庫など
業務での用途例農林業、屋外での作業連絡などホテル、店舗、製造・物流施設などのスタッフ間連絡

VHF・UHFの電波性質

周波数が高いほど、波長は短くなる

周波数とは、電波が1秒間に振動する回数のことです。一方、波長は波1つ分の長さを表します。同じ空間を伝わる電波では、周波数が高いほど波長は短くなります。

VHFとUHFでは波長が異なるため、周囲の地形や建物などから受ける影響も違います。ただし、実際の電波は一直線に届くだけではなく、地面や建物で反射したり、障害物の背後へ回り込んだりしながら伝わります。

通信距離は周波数帯だけでは決まらない

無線機の通信距離は、送信出力、アンテナ、使用する場所などによって変わります。同じ機種でも、見通しのよい屋外と、壁や床を隔てた建物内では、通話できる範囲が異なります。

したがって、「VHFなら何km」「UHFなら何km」と、周波数帯だけで通信距離を決めることはできません。カタログの数値は条件付きの目安として捉え、業務で必要な範囲を実際に通話できるかを確認しましょう。

現場に合わせたVHF・UHF無線機の選び方

VHF、UHF無線機を選ぶ際には、使用する環境を考慮することが非常に重要です。ここでは、使用する場所を想定しながら、無線機を選ぶ際の確認ポイントを紹介します。

目的

広い屋外では、必要な通信範囲を先に整理する

農地や屋外の作業エリアなど、見通しのよい広い場所では、VHFが選定候補になります。ただし、UHFでも必要な範囲をカバーできる場合があるため、周波数帯の名称だけで候補を絞らないことが大切です。

例えば、屋外イベントの連絡用であれば、本部と受付の間だけなのか、離れた駐車場まで含むのかを確認します。会場の広さだけでなく、スタッフが移動する範囲や、必ず連絡を取りたい地点を図面に書き出すと、通話テストの対象を決めやすくなります。すでに無線機を使用している場合は、新しい機種との連携も含めて検討しましょう。

商業施設や工場では、階層や遮蔽物まで確認する

ホテルや店舗、工場・倉庫などでは、UHFが選定候補になります。ただし、同じ建物でも、同一フロアの連絡と、地下から上層階への連絡では条件が大きく異なります。

例えば、ホテルでフロントと客室清掃担当が連絡する場合は、ロビーだけでなく、客室内、廊下、階段、バックヤードまで確認が必要です。工場・倉庫なら、大型設備や商品棚の位置も、通信テスト場所に含めます。

また、直接通信で必要な範囲をカバーできない場合は、中継対応の無線機と中継器を組み合わせる方法もあります。中継器はすべての機種で使えるわけではないため、対応機種と設置条件を確認してください。

山間部では、地形による遮蔽を確認する

山間部では、直線距離が近くても、尾根や斜面に遮られて電波が届きにくくなることがあります。VHFの回り込みやすさが役立つ条件はありますが、山の向こう側まで確実に通信できるという意味ではありません。

例えば、林業や山間部の工事で使う場合は、事務所と作業地点だけでなく、移動ルート上の谷間や、尾根を越えた先も確認しましょう。「もっとも遠い場所」だけでなく、「地形に遮られる場所」を通話テストすることがポイントです。必要な範囲を直接通信で確保できない場合は、中継対応のUHF機なども含め、機器の組み合わせから検討しましょう。

車両との連絡では、運行範囲と既存設備を確認する

車両との連絡では、「敷地内の運搬車両と話す」のか、「離れた拠点を往復する車両と話す」のかを、最初に整理しましょう。新しい無線機を選ぶ前に、車両側と事務所側で使用している機種・設定を確認することも必要です。

導入時の確認項目としては、車内での使用方法、アンテナを設置する場所、電源の確保、既存の携帯型無線機との連携などが挙げられます。対応する車載機用アンテナもあるため、本体だけでなく周辺機器を含めた構成を検討します。

通話テストでは、事務所前だけでなく、実際に停車する場所や建物の裏側など、業務中の位置関係を再現するとよいでしょう。

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【VHF帯簡易業務用無線機】おすすめ機種3選

広範囲な通信を可能にし、災害時や業務効率化に役立つVHF帯簡易業務用無線機。今回は、アイコムのIC-DV75、JVCケンウッドのTCP-D151C、そして八重洲無線のSR820Vという、特におすすめの3機種をご紹介します。それぞれの機種は、優れた機能と使いやすさを備えており、様々な現場で活躍されます。

IC-DV75|BluetoothとGPS機能搭載

おすすめ!

IC-DV75(ICOM)


IC-DV75は、BluetoothとGPS機能を備えた、アイコムのVHF帯簡易無線機です。対応するヘッドセットとVOX機能を組み合わせたハンズフリー運用や、位置情報の送受信に対応しています。

また、最大3チャンネルを扱えるサブチャンネルPTT機能を搭載しており、複数の連絡系統を担当する管理者の運用も検討できます。なお、IC-DV75 LITEはBluetooth・GPS機能に対応していないため、必要な機能に合わせて型番を確認しましょう。

TCP-D151C|表示の見やすさと操作のしやすさを重視

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TCP-D151C(KENWOOD)


TCP-D151Cは、大きな文字を表示できる液晶画面と、4つのキーによる操作を備えたケンウッドのVHF帯デジタル簡易無線機です。IP67相当の防塵・防水性能にも対応しています。

販売店オプションのセカンドPTT機能を利用すれば、2つのグループとの連絡を1台で扱う運用も可能です。現場担当と管理担当など、連絡先を分けたい場合には、操作方法と設定内容を確認しておくとよいでしょう。

SR820V|ノイズキャンセル機能、防塵・防水性能を備え

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SR820V(YAESU)


SR820Vは、デジタル・アナログの両通信モードに対応する八重洲無線のVHF帯簡易無線機です。2マイク方式のノイズキャンセル機能、IP68の防塵・防水性能を備えています。

屋外で使う機種を比較する際には、雨や粉塵への対策とあわせて、風のある場所での聞き取りやすさも確認したいポイントです。BluetoothとGPSにも対応しているため、必要な機能を一台にまとめたい場合の候補になります。

【UHF帯デジタル簡易業務用無線機】おすすめ機種4選

UHF帯の業務用無線機では、音声の聞き取りやすさ、Bluetoothの有無、中継器への対応などに違いがあります。現場の課題に合わせて比較しましょう。

MiT5000|騒音下での音声と手袋での操作に配慮

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MiT5000(MOTOROLA)


MiT5000は、2マイク式ノイズキャンセリング機能と、送信・受信音を調整するイコライザー機能を備えたモトローラのデジタル簡易無線機です。音声の聞き取りやすさを調整したい現場で、確認したい機能が揃っています。

PTTボタンやスイッチ類は、手袋を着用した状態での操作にも配慮されています。工場や作業現場への導入を検討する際は、実際の手袋やアクセサリーを使い、押しやすさ・持ちやすさを確かめるとよいでしょう。

SR810UA/SR820U|防塵・防水性能とGPSの必要性で比較

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おすすめ!

SR810UA/SR820U(YAESU)


SR810UA/SR820Uは、IP68の防塵・防水性能と、2マイク方式のノイズキャンセル機能を備えた八重洲無線のUHF帯デジタル簡易無線機です。Bluetooth対応ヘッドセットを使う運用も検討できます。

両機種を比較する際のポイントの一つがGPSです。GPSユニットを内蔵するのはSR820Uで、通信相手の方向・距離の表示や、位置情報の送信に対応しています。音声連絡だけでよいのか、位置情報も活用したいのかを整理して選びましょう。

IC-DU75 PLUS|位置情報の共有と中継器を使った運用に対応

おすすめ!

IC-DU75 PLUS(ICOM)


IC-DU75 PLUSは、BluetoothとGPSを内蔵するアイコムのUHF帯デジタル簡易無線機です。対応するヘッドセットを使ったハンズフリー運用に加え、相手の位置情報を受信した際に方向や距離を表示できます。

また、別売の対応中継器を利用した運用にも対応しています。建物内や広い施設で直接通信が届かない場所がある場合には、本体の選定とあわせて、中継器の設置場所やシステム構成を検討できます。

TCP-D261E/TCP-D261BTE|薄型の本体と選べるBluetooth対応

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TCP-D261E/TCP-D261BTE(KENWOOD)


TCP-D261E/TCP-D261BTEは、携帯しやすい薄型の本体と、中継用チャンネルへの対応が特徴のケンウッド製デジタル簡易無線機です。販売店オプションの「はっきり聞取りモード」では、受信音の高域を強調できます。

Bluetoothを搭載するのはTCP-D261BTEです。有線のイヤホンマイクを使うのか、対応ワイヤレスヘッドセットを使うのかを決めておくと、機種を選びやすくなります。通話エリアを拡張したい場合には、別売の対応中継器との組み合わせも検討できます。

よくあるQ&A

VHFとUHFの違いは何ですか?

主な違いは周波数帯と波長です。VHFは30~300MHz、UHFは300MHz~3GHzに区分され、UHFの方が波長は短くなります。

VHFとUHFは同じ無線機で使えますか?

基本的には別々の機種になります。
VHF専用機とUHF専用機があり、それぞれ対応する周波数帯が異なります。

VHFとUHFは、どちらが遠くまで届きますか?

見通しのよい広い屋外では、VHFが有利になる場合があります。ただし、通信距離は機種・出力・アンテナ・地形などで変わるため、周波数帯だけでは決められません。

障害物が多い場所では、UHFを選べばよいですか?

建物内や市街地ではUHFが候補になりますが、必ず通信できるわけではありません。壁や床の材質、地下や別棟との位置関係まで含めて、使用場所での確認が必要です。

VHFとUHFは、どのような業務で使われますか?

VHFは農林業などの屋外業務、UHFはホテルや製造・物流施設などの業務で選定候補になります。ただし、用途名だけで決めず、実際の通信範囲と既存設備に合わせて選びましょう。

まとめ|周波数帯だけでなく、現場で必要な通信を基準に選ぶ

VHFとUHFは、使用する周波数帯と波長が異なります。見通しのよい屋外ではVHF、建物内や市街地ではUHFが選定候補になりますが、それだけで最適な無線機が決まるわけではありません。

機種選びでは、まず「誰と誰が、どの場所で連絡するのか」を整理しましょう。次に、既存機との連携、使用時間、装着方法、Bluetoothや位置情報の必要性などを確認します。現場の図面や配置図に、必ず通話したい場所を書き込んでおくと、相談時に条件を伝えやすくなります。

STJレンテックでは、業務用無線機・トランシーバーの販売とレンタル、免許申請のサポートに対応しています。VHF・UHFの選び方に迷った際は、ご利用場所、用途、必要台数、ご利用期間、現在お使いの機種などをお知らせください。ご相談・お見積もりは無料です。