無線機とは
無線機、トランシーバー、インカムなど様々な呼び方で表現されますが、ここでは無線機と統一します。
無線機とは、無線通信を行う機器のことです。無線機本体から電波を発信し、その電波が届く距離にある、同じ周波数の無線機と通信を行うことが出来ます。無線機の中にも種類があり、安価に購入できるものから企業・団体が利用するための機器まで幅広く流通しています。
送受信の仕組み
無線機は周波数が同じ無線機と通信を行うことが出来ます。無線機にも種類があるため、一概にすべてのものが該当するわけではありませんが、基本的な仕組みは下記の通りです。
特定小電力トランシーバーや登録局など、周波数が固定されている無線機は販売元のメーカーが違った場合でも、周波数がきちんと合えば送受信可能です。
周波数が合っていても、電波を飛ばすパワーが足りない場合は音声が途切れたり、音そのものが全く聞こえません。
その場合は中継器を利用したり、別の種類の無線機をご利用いただく必要があります。
無線機の種別について
ここでは主に利用されている無線機の種類についてご案内します。アマチュア無線につきましては弊社では取り扱いが無いため、省略します。
特定小電力トランシーバー
通信距離
~約200m
免許の有無
必要無し
おすすめの業種
~200m
一番手軽に購入できるモデルです。家電量販店でも販売されており、購入してすぐに利用できる機器のため、免許の申請や資格は不要です。
簡易無線局(登録局/免許局)
業務用無線機。簡易無線局は登録局と免許局の2種類があります。主な違いは下記のとおりです。
IP無線機(広域無線機)
業務用無線機
一般業務用無線局
MCA無線(第三者無線機)
業務用無線機
ユーザーコード(UC)と秘話コード
業務用無線機(デジタル/アナログ)が受信したときに音声が出るには「周波数」と「ユーザーコード(UC)デジタル機」が同じであることが条件となります。(アナログ無線機の場合は「トーン周波数(TONE)」)
デジタル機
アナログ機
1ドア2ロックのドアを開けるためにカギが2つ必要で、両方のロックを解除してドアが開くようなイメージです。
キャリアセンスとは?
キャリアセンスとは”混信防止機能”のこと。デジタル無線機(登録局)と特定小電力トランシーバーに搭載されています。
キャリアセンスが発生すると「受信ランプがついているのに音声が聞こえてこない」という状態になり、一時的に音声のやり取りが出来なくなります。
送信可能
送信不可(キャリアセンス)
無線機を利用している周囲で同じチャンネル(周波数)で送信を行っている人が多数いると、混信を避けるためにキャリアセンスが作動し上手く音声が届かない状態になってしまいます。
その場合はチャンネルを変更し、別の周波数で改めてお使いください。
頻繁に発生し、日々の業務に支障が出る場合は免許局の導入をご検討ください。
【リンク】免許局とは?(登録局との違い)
周波数一覧
用語集
交互通信、単信、シンプレックス | 交互に送受信を行う通信方式です。 | |
中継通話、半複信、セミデュプレックス | 中継器を利用することで、通話エリアを拡大して交互に送受信を行う通信方式です。 | |
同時通話、複信、フルデュプレックス | 電話のように「話す」と「聞く」を同時に行える通信方法です。 | |
同時通話 | 出力1mW | 連続した同時通話が可能です。 ※一部のチャンネルでは3分の通話制限があります。 |
出力10mW | 連続した同時通話が可能ですが、3分間の通話制限があります。 ※2.4GH帯の機種は除く | |
一般業務用無線機(SR) | Service Radioの略称。 公共性の高い公私事業者に対して専用の周波数が割り当てられた無線機のこと。無線従事者が必要。 電波法に従い、総合通信局に申請し免許を受ける必要があります。 主に水道、バス、電力、鉄道、新聞社などで使用されています。 | |
簡易業務用無線機(CR) | Convenience Radioの略称。 周波数を複数の事業者で共用される無線機のこと。無線従事者は不要。 電波法に従い、総合通信局に申請し免許を受ける必要があります。 主に一般業務無線が免許されない中小企業や町内会などの団体の音声連絡に使用されています。 | |
免許局、デジタル免許局、DCR | Digital Convenience Radioの略称。 周波数を複数の事業者で共用される無線機のこと。無線従事者は不要。 電波法に従い、総合通信局に申請し免許を受ける必要があります。 チャンネル数は65ch。 主に一般業務無線が免許されない中小企業や町内会などの団体の音声連絡に使用されています。 | |
登録局、デジタル登録局 | 周波数を複数の事業者で共用される無線機のこと。無線従事者は不要。 電波法に従い、総合通信局に申請し免許を受ける必要があります。 チャンネル数は30ch。レンタルも可能。 主に法人や自治体、官庁のような団体や個人の業務用通信およびレジャー用通信用。 | |
新簡易、小エリア無線機 | 出力1W以下の簡易業務用無線で、無線従事者は不要。 電波法に従い、総合通信局に申請し免許を受ける必要があります。 | |
特定小電力トランシーバー、特小 | 出力10mW以下の周波数を複数の事業者で共有される無線機。 無線従事者や免許は不要。 | |
UHF帯(400MHz帯) | Ultra High Frequencyの略称。 | |
VHF帯(150MHz帯) | Very High Frequencyの略称。 | |
キャリアセンス | デジタル登録局、特定小電力トランシーバーに搭載されている混信防止のための機能。 送信をする前に周囲で同じ周波数の受信電力レベルを感知し、既定のしきい値以上ある場合は一時的に通信を行えず、しきい値以下であれば通信を行うことが出来ます。 | |
ユーザーコード | 他局の同一チャンネルの電波の受信音を鳴らなくするための機能です。 ユーザーコードは000~511の中から選択でき、同じユーザーコードを設定した無線機同士で、簡易的なグループ通信ができます。 | |
秘話キー、秘話鍵、秘話ID | 32,767通りの中から選択し設定すると、その設定された番号が分からない限り、通信内容を聞くことは出来ません。 | |
IP無線機 | 携帯電話網のデータ通信機能を使い、デジタルデータや音声伝達するサービスです。 |